お知らせ・代表コラム

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監査における「ビジネス」の理解は絶対に怠らない

会計監査か内部監査かを問わず…だと思いますが、ビジネスやビジネスプロセスを理解しないままに監査に突入するほど勿体無いことはないと思っています。
というよりも、失礼極まりないかなと…。
でも意外とできていない監査人は多いですし、私個人としてもこれに関するクレームはたくさん耳にします。

確かにビジネスのプロセスまで詳細に理解するのは大変かもしれない。
這いつくばってでもやらないとダメですが…。
急なアサインでどうしても間に合わないとしても、最低限ビジネスの概要と収益構造、業界内シェアくらいまでは理解しておきたいですね。
当時はアサインされた当日中に、↓のような「図解入門業界研究」は必ず読んでいました。
https://management-accounting.biz/industry-type-4/
これでも全く十分ではないですし、収益構造などをもとに想像を巡らせることは必要ですが。

監査基準委員会315号が、監査人の企業・ビジネス理解を加重する方向に改訂されたことからも、監査人に対するこの点の不満や物足りなさは明らかなのだろうと思っています。(協会からも社会からも)

ビジネスについて無知で、自分の誇りを持っているサービス・会社のことを知ろうともしない人が言ってくる「監査報告」など”頭ごなし”そのもの。
当然、本質的な改善対応など期待できるはずもありません。
結局は「もしも自分が監査を受ける側だったら…この人の言うことを聞いてみようと思えるか?」に尽きると思っています。

と、ここまで随分厳しい論調を展開しましたが、私にも苦い経験が。
初めて会計監査を担当した際、業界に関する知識のインプットが足りなかった上、製造過程についてはまるでわからないまま工場に往訪しインタビューしました。
今でも現場担当者の方の白けた表情が忘れられません。
そのあと、監査チーム責任者から特大の雷を落とされたのは言うまでもありません(笑)

ですが、この経験があったからこそ監査前のインプットの習慣が染みつきました。
迷惑をかけてしまいましたが、一生の糧になる貴重な経験をいただき感謝してもしきれません。

初めて監査に従事する方には私と同じ轍は踏まずに良いスタートをしてほしいですし、監査を受ける方にも「監査に失望する」ようなことに出くわさないでほしいな…と。
どんどん忙しくなる中だったので、自分への戒めを込めて、今日はこのテーマにて。


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