個人事業主として開業する際に検討したいのが、事業用口座の開設。
事業用口座を開設するメリットとしては、一般的に
- 生計費と分けることで経理上正しく出納を分離できる
- お客様が安心してお振込できる
- クラウド会計を利用する際に入出金をキーとして自動での経理をしやすい
などが挙げられます。
意外と手順をまとめたWebサイトが見当たらなかったので、実践的な手順をまとめてみます。
大まかな流れ
屋号付きの事業用口座を作成する場合、大まかには以下の工程となります。
なお当事務所は三井住友銀行様を利用していますので、同行での一例となります。
①銀行の窓口予約を確保!
→意外と取れません。私の場合は思い立った日から2週間先の予約しか空いていませんでした。
②必要書類を準備
→何より鍵になるのは開業届。その他ごく一般的な本人証明書類です。
③いざ銀行の窓口へ!
→所要時間は約1時間。場合によっては長くかかる可能性もあるので余裕を持って。
④キャッシュカードを自宅で受け取り
→最近はポスト投函での受け取りも可能。便利ですね。
詳細はこの後解説します!
①銀行の窓口予約を確保!
昨今ではネットで口座開設できるイメージはありますが、個人事業主による屋号付き口座の開設はイレギュラーな手続きのため、来店しての口座開設が必要なケースがほとんどです。
各銀行、最近は窓口での手続きは予約優先、もしくは予約専門となっています。
(意外と)予約枠が混み合っており、希望日程を取ろうとするとかなり先の日程になりがち。
口座開設が必要だと感じたら、何よりも先に予約を取りましょう。
ちなみに、三井住友銀行の場合は以下から予約が可能です。
https://www.smbc.co.jp/kojin/tenpo/soudan/otetsuduki/#anc02
あくまで個人として(法人ではない)の口座開設となるため、個人予約を取りましょう。
備考欄などに個人事業主としての屋号付き口座の開設がしたい旨を記載するとスムーズでしょう。
私の場合は、コメントをみたご担当者の方から必要書類の確認等のお電話をいただくことができました。
純粋な個人だと思われると、銀行側が必要な準備ができない場合もあるため、何らかの手段で伝えておくとよいはず。
ちなみにどこの支店で手続きをしても事業所最寄りの支店での口座開設となります!
(もしもカッコいい!と思う地名の支店に行って手続きしても、最寄りの支店名になります)
②必要書類を準備
一番情報が少ないのがこの部分。
この記事では個人事業を開始したばかりの方が口座開設する場合を説明してみます。
ずばり必要な書類は以下です。
- 開業届の控え(税務署の受領印があるもの。e-Taxでの提出の場合は受信通知と提出した開業届のプリントアウトで可)
- 本人確認書類(マイナンバーカードもしくは運転免許証など。代表自らの個人のもので可)
- 印鑑(シャチハタは不可。代表の個人印で可ですので屋号での印鑑は不要です)
特に重要なのは開業届。
紙面提出した方は控えをもらうのを忘れずに。
e-Taxで提出した方はマイページの受信箱から後からでも印刷可能です。
ちなみに開業届は銀行で回収されることなく、返却してもらえるのでご安心を。
③いざ銀行の窓口へ!
あとは予約時間に遅れずに銀行窓口を訪れれば、しっかりと案内してもらえます。
屋号付き口座の開設はマジョリティではないとはいえ、銀行員の方は手順を熟知していますので、指示に従って手続きすれば問題なく完了できるはずです。
なお所要時間は1時間見ればOKとのこと。待ち時間を使ってキャッシュレスサービスやクレジットカードの案内を受けることが多いようです。
そして気になるのは、当日何が受け取れるのか。以下に私の場合を整理してみます。
当日に受け取れるもの・使えるもの
- 口座番号通知書(支店名・口座番号が書かれています)
- インターネットバンキング
- (スマホ版を選んだ場合)ワンタイムパスワード
受け取れないもの
- キャッシュカード(なのでしばらく現金の引き出しはできません。1週間後頃に自宅へ郵送されます)
- 通帳(最近はWeb通帳が主流ですね)
ちなみに口座開設というと、最初にいくらかの預入を依頼されるケースもあると思いますが、私の場合は特にありませんでした。
④キャッシュカードを自宅で受け取り
これはもう受け取るのみです。
めでたく口座開設完了です。
いかがでしたでしょうか? 思ったより簡単で手間がかからない印象でしょうか。
法人口座の開設とは異なり、気難しい審査があるわけでもないですし、気軽にチャレンジしてみても良いと思っています。
1時間ほどの銀行での待ち時間はありますが、その間も読書などはできますし、その後の経理の明瞭さや利便性を考えると、当事務所としては事業用口座の開設をお勧めしています(クラウド会計の導入を検討されている方は特に!)
まずは開業届(と青色申告承認申請)の提出!
これが1番になってきますので、今度はe-Taxでの開業届提出方法の解説を予定しています。
開業時の税務相談等も承っておりますので、ご希望等あればお気軽にお問い合わせフォームよりご連絡くださいませ。